〇文庫「蜂起」
(2005年4月刊行、2007年6月文庫化 約570ページ 森巣 博著)
―あらすじ―
懲戒免職となった元警視、セックス依存症のOL、塾生がいなくなった政治結社の主宰者、自傷癖のある高校生。
おかしなことが多すぎて、もはや善良な民を演じることは不可能だ。
暴走し始めた非国民達の憤怒が「日本」というシステムを炎上させる。
革命なんて目指さない。
破壊こそが目的。
日本人よ、銃を取れ!
―雑 感―
本作解説者が、文末に解説文の分限をこえると断ったうえで『「蜂起」という小説の現象的な読み取りは、それほど重要でないと思う。否定し、嫌悪する者がいるのは仕方がない。』と記述している。
否定はしないけど、嫌悪する者の部類になってしまった。
うーん、何だろうか、この読後感。
登場人物4名のバックボーンに約6割、その後の世界観で残り4割。
カシノに触れているのは、まぁ1ページぐらい。
衝動(日本というシステムに対する不満)だけで、本作を書いたのかと。
それはそれで、もの凄い。
484ページに「毎週金曜日十一時三十分関西国際空港発ロサンジェルス行きN航空018便のボーイング777・400型機が、大阪中心部にある高層ビルに突っ込んだ。」とあるが、この2行が読み込めず(理解できず)数回読み直した。
書きぶりというか、言い回しおかしくない?
放棄せず、踏ん張って読んできたが、ここで一気に萎えた。
残念ながら「非国民(上・下)」のような読後感はなかった。
ではでは。
二度と戻らぬ ジゴクラク 蜂起 無境界家族 非国民(上・下)