音声書籍「蒼海館の殺人」

書籍

〇音声書籍「蒼海館の殺人」

(2021年2月文庫・電子版、2021年7月音声版 阿津川 辰海著)

 ―あらすじ―

 大型台風が迫る週末、不登校になってしまった「探偵」“葛城”に会うため、僕“田所”は“三谷”を連れて彼の実家があるY村の青海館を訪れる。

 その日は、彼の祖父の49日法要が行われる日で、両親、兄姉、祖母に叔母夫婦と息子“夏雄”もいた。

 しかもなぜか、姉の元カレと夏雄の家庭教師も法要に参加していた。

 僕らは、皆と一緒に昼食を頂くことになるが、“夏雄”少年により気まずい雰囲気になってしまう。

 さらに午後からの激しい風雨の影響で交通網がマヒし、僕らは葛城家で一夜を過ごすことになる。

 そしてその夜、事件の幕が上がる、過去に囚われたままの探偵の夜は明けるのか。

 ―雑 感―

 四季(春夏秋冬)と四元素(地水火風)を組み合わせ、色で表す四部作(四重奏)の2作目。

 前作に比べ、登場人物が増えた。

 作家の卵僕“田所”と図書委員“三谷“、類友関係はわかるが、なぜ似た趣味を持つ人物を登場させるのかモヤッた。

 前作よりド派手な展開だが、前作の要素を本作でも使うんかとちょっとガッカリ。

 前作のカウントダウンは残り時間、本作は水位上昇、わかりずらい。

 相変わらず高校生の語り口・経験値とは思えないし、登場人物に土木工事の経験者必要やろ。

 うーん、読み物的展開・顛末はいいんだが、流石になりすましの描かれ方は力不足。

 実行犯の描く人生設計も短絡的すぎへんか。

 ではでは。

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