文庫「神はダイスを遊ばない」

文庫

〇「神はダイスを遊ばない God does not play dice.」

(2000年11月刊行、2003年12月文庫化 約420ページ 森巣 博著)

―あらすじ―

私は豪州を拠点とする「常打ち賭人」。

知り合いの女性ディーラーが博奕場で陵辱された。

一歩引けばそこは奈落の世界。

ふたりが仕掛けた乾坤一擲の大勝負の行方は?

「人は負ける。いつかどこかで必ず負ける。大切なのは、その負けをいかに打たれ越すかだ。」

カジノという非日常空間でうごめく魑魅魍魎たちを圧倒的なリアリティで活写した、賭博文学の最高峰がついに誕生!

―感想―

「神はダイスを遊ばない(God does not play dice.)」ってタイトルがいい。

ギリシヤ哲学者の言葉?と思ったら、アインシュタイン博士とのこと。

物語は、1990年代前半。

女性カシノディーラーと著者を軸に、実在したハイローラーなどカシノ周辺の話を織り交ぜながら物語は進む。

話はあっちこっちに飛んでいくが、物語はど真ん中に収束していく。

魑魅魍魎たちとあるが登場人物はそれほど多いと思わないし、陵辱というよりは侮辱とか侮蔑か。

本書は「越境者たち(上・下)」と同様、事実(ファクト)と作り話(フィクション)によるファクション仕上げ。

物語中のゲームは難易度が高いが、それをおいても面白い。

数少ないが、日本人ポーカープロがYoutubeで発信し始めている。

日本にカシノ(IR施設)ができたら、カシノブームが起こると思う。

出来る、造ると焦らされまくりで早30年。

一方、既存の賭け事(パチンコ・競輪・競馬・宝くじ等)には触れず、一部の人々によるカシノ反対運動は継続している。

実際、カシノ(IR施設)ができて困るのは、これら関係者に加え、アングラカジノ、アジア圏のカジノ関係者というところだろうか。

日本の環境化で、すでにこれだけ賭け事が出来るのに今更何を反対と言ってるのだろうか?

カシノ行かなければいいだけなのに。

ちなみに同博士の「Everything should be made as simple as possible,but not simple.(物事はできるだけシンプルに、しかし、シンプルすぎないように。)」も好きな言葉。

ではでは。

 二度と戻らぬ ジゴクラク 蜂起 無境界家族 非国民(上・下) 

 セクスペリエンス 無境界の人 ろくでなしのバラッド  神はダイスを遊ばない

 越境者たち(上・下)