〇文庫「元彼の遺言状」
(2021年1月刊行、10月文庫化 約340ページ 新川 帆立著)
―あらすじ―
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。
元カレの森川栄治が、残した奇妙な遺言状。
数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、元カノの弁護士、剣持麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げるべく「犯人選考会」に代理人として参加することになった。
ところが、遺言状が保管されていた金庫が盗まれ、さらには栄治の顧問弁護士が何者かによって、、、。
―雑 感―
TV版を観て、原作が気になったので読んでみた。
2021年1月刊行で、同年10月に文庫化って、エライ早いな!
さらに2022年4月に売れっ子俳優でTVドラマ化って、このスピード感!
ということで、読後に今更ながら検索。
2020年10月に第19回「このミステリーがスゴイ大賞」を受賞し、作家デビュー。
ということは、授賞とほぼ同時にTV版制作が決定ということか。
応募時のタイトルは「三つ前の彼」で、出版時のタイトルは「元彼の遺言状」。
改題前後を比べると後者の方が、キャッチーで売れるタイトルに思う。
また、著者の努力の結晶であるキラキラの経歴も素晴らしい。
TV版も面白く観させてもらったが、やっぱり本作だけで11回放送は厳しいよな。
結末は同じにしてくれているが、ドラマ版と小説版では登場人物の役割等が異なるのも仕方がない。
小説が、尾頭付きの丸々一匹の煮付けなら、TV版は切り身の煮付けというところか。
犯人捜しと併せて、企業法務弁護士目線+αもあって小説も面白く読ませてもらった。
ではでは。