〇電子書籍「アジアの隼」
(2002年4月発行、2008年12月文庫版、2013年3月電子版 黒木 亮著)
―あらすじ―
腐敗と賄賂が横行する1990年代の共産主義体制下のベトナム。
リスクを恐れぬ積極性でアジアの王座へと駆け上る『アジアの隼』こと香港の証券会社ペレグリンのアンドレ・リー。
アジア・ビジネスの暗部を渡り歩く、大手米銀香港法人の日本国籍を持つベトナム人シン。
彼らを向こうに回し、ベトナムの巨大発電プロジェクトに応札する日本長期債券銀行の真理戸。
沸き立つアジア金融市場の光と影、そしてそれに翻弄される3人の男の野望と運命とは。
―雑 感―
時代は1994~1998年頃。
各人の立場から東南アジア金融市場の栄枯盛衰と当時の日本市場の混乱が語られていく。
全く畑違いの業種なので、山一証券の自主廃業・アジア通貨危機も記憶にあるが別世界の話だった。
どちらかというと、安価にバリ島旅行に行ってたくらい。
ベトナムの情景と生きるための姿にはグッとくるなぁ。
カシューナッツのくだり等々には口元も緩む。
物語で語られる現場と本店や上層部のムカつく各種応答には同意しかない。
最近でも一代で会社を大きくした会長との食事に際し、食べるスピードまで事前に秘書から指導されるというゴシップが週刊誌に掲載される日本。
約20年前の書籍だけど、細かな点は理解できなくとも躍動感がすごい。
拝読して良かった。
ではでは。
たまたまだけど、米国シリコンバレー銀行の信用不安が。→48時間で破綻・身売りへ。