電子書籍「巨大投資銀行(上・下)」

書籍

〇電子書籍「巨大投資銀行(バルジブラケット)上・下」

(2005年11月刊行、2008年10月文庫化、2014年4月電子化 黒木 亮著)

 ―あらすじ―

 1985年、旧態依然とした都市銀行を飛び出し、ウォール街の巨大投資銀行に転職した桂木英一。

 外資流のビジネスに翻弄されながらも、巨額のM&Aや証券引受で勝機をつかみ、一流のインベストメント・バンカーへと駆け上っていく。

 そうしたなか、一匹狼の日本人起業家に翻弄されながら進めてきた買収案件に調印する寸前、世界を揺るがす金融不安が…。

 そして、ウォール街での実績を買われた桂木は東京のM&Aチームに移り、多くの買収案件を成功に導く。

 一方、“伝説のトレーダー 竜神宗一”は、金融工学を駆使して日系証券の牙城を切り崩した後、米国債不正入札による危機に立ち向かう。

 バブル崩壊後、危険なデリバティブ商品が横行する中、米国投資銀行の幹部となった桂木は、一つの志を抱き、新たな世界へと転進する。

 ―雑 感―

 本著者の作品は初めて。本作も予備知識なしで読み進める。

 上下巻で約1000ページのボリューム。

 時代は1985年頃から2003年頃まで。

 かつて新聞誌面等を賑わした世界的な企業合弁や経済事件などが、業界内側目線で描かれる。

 聞いたことのある大型企業の合併や不祥事、日本のバブル経済崩壊時の右往左往を思い出しながら読み進める。

 取引手法で理解が及ばないところもあるが、魅力的な人物、クセのある人物等と変化をつけてくれていて、読み応えはあるが飽きずに最後まで拝読した。

 20年ほどの間に本当に多くの経済的事象や世界を揺るがす事件が次々起こっているよな。

 証券・銀行業務がそれぞれ規制で守られていた日本は、ガラパゴス状態で外資系に喰われっぱなしだったことが今更ながらよくわかった。

 ではでは。

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