〇電子書籍「フラッシュ・ボーイズ -10億分の1秒の男たち- 」
(2014年10月刊行 2019年8月文庫・電子化 マイケル・ルイス著)
―あらすじ―
証券市場の民主化によりNY証券取引所とナスダック以外にも証券取引所が乱立するようになった2009年ぐらいから、ディーラーたちは不思議な現象に悩まされる。
端末が映し出す各証券市場の売値と買値で取引しようとすると、ふっと売り物や買い物が消えてしまうのだ。
その値が消えてしまうということは、買いなら必ずそれより高い値で、売りなら必ずそれより低い値で取引が成立してしまうのだ。
マイナーな投資銀行に勤めるブラッド・カツヤマは、株を買おうとするとなぜか買値が上がる事に気気づき、ドンキホーテのように単身調査に乗り出す。
するとそこには、注文を10億分の1秒の差で先回りしていく超高速取引業者「フラッシュ・ボーイズ」の姿があったのだ。
ー雑感ー
ノンフィクション。
2009~2013年頃の話。
ニュージャージー・ナスダック証券取引所とシカゴ・マーカンタイル取引所を光ファーバーで、できるだけ真っ直ぐ結んだ話をプロローグに、ナノ秒早く取引をフロントランニング(先回り)するフラッシュ・ボーイズに対抗して、より公正な取引所を新たに設立する誠実な男の話。
まぁ、本作に登場する人物の使命感がすごい。
そして、結果的に全体像にあまり興味をもたず、ただ、与えられた役割・求められる役割を淡々と進めていく技術的スペシャリストの層の厚さよ。
これぞ世界中から優秀な人が集まり、生き残っていくアメリカ!
行きすぎた行為も自浄効果で是正されてくるアメリカって感じ!
ではでは。
本作は「マネー・ボール」「世紀のカラ売り」の著者なのか。