〇電子書籍「漂流」
(2016年8月刊行 2020年3月文庫化、同年4月電子化 角幡 唯介著)
―あらすじ―
1994年冬、沖縄のマグロ漁師・本村実はフィリピン人船員らとともに37日間海上を漂流した後、奇跡の生還を遂げた。
だが、8年後、本村は再び漁に出て、今度は二度と戻らなかった……。
命を落としかけたにもかかわらず、なぜまた海へ向かったのか?
著者は本村の後姿を追って沖縄、グアム、フィリピンを彷徨い歩く。
国境などないかのように生きる海民の声を聴くうちに見えてきたものとはーー。
―雑感―
ノンフィクション。
再び、行方不明となった漁師に興味を持った著者が、近親者や関係者の証言・聞き取りから木村の人物像や1994年の奇跡の生還、戦前から2000年頃までのカツオやマグロ漁等の栄枯盛衰や沖縄漁師の気質が紡がれていく。
登場人物がとても多く、関係者図が欲しい。
敗戦後の占領下の沖縄では、漁船に日本国旗を掲げることが出来ず、外洋で銃撃されたこともあったとの記述は衝撃(琉球王国の国旗を掲げるとのこと)。
よく極限の状況から帰ってこれたと素直に考えていたが、自らの行いの結果、漂流し、そして生還したことは恥だったのでは、という同業者の見立てになんか納得した。
なんか読んだことあるぁとぼんやり思ってたけど、たぶん写真週刊誌で事件記事を見たかも。
ではでは。