電子書籍「プラチナタウン」

書籍

〇電子書籍「プラチナタウン」

(2008年7月刊行 2011年7月文庫化 楡 周平著)

 ―あらすじ―

 大手総合商社・四井商事の部長・山崎鉄郎は、社員採用試験をめぐるちょっとした手違いで出世コースから外されクサっていた。

 そんな折、中学時代の同級生から故郷の町長になってくれと懇請され、酔った勢いで承諾した。

 エリート商社マンから故郷に戻り、難なく町長に就任したものの生まれ育ったその町は、聞いていた以上の莫大な借金をかかえた財政破綻寸前の自治体だった。

 今まで私腹を肥やしてきた町議会のドン、さらに田舎特有の悪弊・非常識と闘いながら、新町長は町の再生を期して仰天の計画を案出する。

 それは、今後、爆発的に増える高齢者を中心にした巨大タウンの建設だった。

 ―雑 感―

 本著者の作品は初めて。

 本作も予備知識なしで読み進める。

 最初、商社の話かぁと思ったら、途中、地方の小さな自治体のよく聞く話になったが、結局商社の話だった。

 自治体の借金が多いのはそうなのだろうが、その辺の内情は丁寧と思う。

 ただ、アクの強い議員は結果的にあっさりだし、Bプランのその後も、内部情報が漏れている犯人捜しもなし、グレーな孫請け下請けのくだりも描かれていない。

 そして時が一気に進んで、巨大タウンの完成って、案出から空白の3年間はなんもなかったのかよと。

 もっと、話を広げることができるような気が、、、。

 ハッピーエンドでいい話と思うが、ちょっと都合が良すぎるかな。

 ではでは。