〇電子書籍「パードレはそこにいる(上・下) 」
(2016年9月文庫版、電子版 サンドローネ・ダツィエーリ著)
―あらすじ―
勇猛果敢でずば抜けた能力を持ちながらも、現在は休職中の女性捜査官コロンバ。
誘拐犯に監禁されて11年を過ごした閉所恐怖症の失踪人捜索コンサルタントのダンテ。
ローマで女性が惨殺され、その六歳の息子が行方不明になった。
捜査の行く先を懸念する警察幹部は、ひそかに事件を2人に託した。
児童失踪の裏には、―幼い自分を誘拐し監禁した犯人“パードレ”がいる―。と考えるダンテをしだいに信じるようになったコロンバ。
しかし、味方のはずの警察は、型破りなふたりに疑いの眼差しを向ける。
孤立無援のふたりは、独自に過去の事件を捜査していくが、、、。
―雑 感―
原題は「Uccidi il padre(パードレを殺せ)」。
「padre」とは、「父・神父・始祖、神」などを意味する言葉とのこと。
物語は、捜査官と失踪人捜索コンサルタントによるバディ物。
登場人物は、主人公含めて19人以上。
残酷な書きぶりもあるし、読み応えもあるので元気なときに読む方がより良いかも。
言葉遊びが過剰でないということは、なんと素晴らしく読みやすいのだろうか。
本書でもアングラサイトとなんでも解明するハッカーは必須。
しかして、その犯人は、、、意外性はあまりないかな。
そこに至る経過や物語は、重厚で複雑だけど。
以下、気になった点
良い日本語題名と思うので、目次の各題名が味気ないのは残念。
言い回しとして「~未来の元上司~」はおかしいような。
「~未来の〇〇になる野望を持つ元上司~」ならわかる。
アゴを蹴り上げられた相手が直後に話すこと、結構大きな怪我を負うのにほぼ支障なく物語が進むのはご愛敬ってことですな。
ではでは。
3部作になるのか。
死の天使ギルティネ(上下) パードレはもういない(上・下)