〇「日本国債(上・下)最新改訂版」
(2000年11月刊行、2003年11月文庫化 約660ページ 幸田真音著)
ーあらすじー
「上巻」
日本国債ディーラーが遭った不審な交通事故。直属の部下・朝倉多希が任された翌週の日本国債の入札で異常事態が発生した。
未達ーー国の募集総額に対し応札額が大幅に不足。
「この国が破産する」未曾有の危機の背後には壮大な罠が。
膨大な取材と卓越した視点が冴える迫真の経済小説。
最新データによる待望の改訂版。
「下巻」
日本国債の未達に始まる大混乱は世界に拡大した。
入札価格の不審な書き換え、事故に遭った上司が出入りしていた謎の団体。
疑問を抱いた朝倉多希は、日本経済全体を揺るがす計画の存在を知る。
官邸をも巻き込んだ破局のシナリオの行方は。
その後、現実に起きた危機を予見し、大きな反響を呼んだ経済ドラマ。
ー読後感ー
日本国債の入札制度のあり方やこの国の将来をより良い方向に。という日本国債に携わる国・証券会社のディーラー個人の思い、人とのつながりを大事にした浪花節的な物語。
思ったより読み易すかった。
ディーラーは派手な職業かと思ったが、為替などに比べ日本国債ディーラーはマイナーな存在とのこと。
もっと早くに読んでいたら、仕事は違えどももっと多くのことに共感していたと思う。
読んでいる途中から、良い本を読んでいると感じた。
浪花節的な物語による個人的な感傷かも知れないが。
ちなみに2022年6/25(金)のドル円は約135円/ドル、日本国債10年利回りは0.229%、日経平均は約2.6万円(本書中は、約116円/ドル、利回り1.6%、日経平均約1.1万円)。
ではでは。