書籍「越境者たち(上・下)」

書籍

〇「越境者たち(上・下)~カシノ そこで人は夢見る。そこで、人は祈る。~」

(2002年9月刊行、2005年3月文庫化 約640ページ 森巣 博著)

―あらすじ―

 日本を捨てたギャンブラー、ギャング元大幹部のヴェトナム系青年、そしてマオリの血が流れる「白人」。

 オーストラリアに住む3人の越境者たちが、「合意の略奪闘争」の場たるカシノで出会った。

 セックス、ドラッグス&ギャンブリングによる「超越」の向こう側に存在した真実とは、、、?

―感想―

 刊行は約20年前、本編はさらに10年前の1990~2000年頃のお話。

 石原元都知事におけるお台場カジノ構想、日本の公営ギャンブル等(競馬・競輪・競艇・宝くじ・パチンコ)を取り巻く不合理な事実などに紙面を割きながら、常打ち賭人としての筆者の主張とバカラ・牌九(パイガオ)ゲームを通じて知り合った2人との物語が語られていく。

 著者曰く、本書は事実(ファクト)と作り話(フィクション)によるファクションという手法を用いて仕上げられたものとのこと。

 海外在住だからこその各人のルーツ、自分は何者なのかということも語られるが、正直、その辺は読み飛ばして問題ない。

 それ以外の物語に引き込まれるから。

 グッとくるシーンにも巡りあった、個人的に十分元は取った。

 2000年以降はマカオのカシノが拡大し、ラスベガスを超え世界に名を轟かした。

 シンガポール、フィリピンなど東南アジアの各所でもカジノが開設されてきた。

 一方、日本は2022年になろうも、いまだカシノ開設(日本式にはIR施設か)にはいたらない。

 なんとか2030年頃までに1カ所開設できるのか?というようなところ。

 ほんと世界から3周遅れくらいでしか物事が進まない。

 ではでは。

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