〇17才の帝国(2022年5~6月 土曜ドラマ 全5話)
─あらすじ─
舞台は202X年。
日本は深い閉塞感に包まれ、世界からはサンセット・ジャパン(日没の日本)の烙印を押されている。
その閉塞感を打破するため、鷲田総理はあるプロジェクトを立ち上げた。
「Utopi-AI(ユートピア-エーアイ)」通称UA(ウーア)構想。
全国からリーダーをAI(人口知能)により選抜し、衰退した都市の統治を担わせる実験プロジェクトである。
若者が政治を担えない理由は、「経験」の少なさだと言われてきた。
AIは、一人の人間が到底「経験」し得ない、膨大な量のデータを持っている。
つまり、AIによっていくらでも「経験」は補えるのだ。
それを証明するかの如く、AIが総理に選んだのは理想の社会を求める17才の高校生。
他のメンバーも全員20才前後の若者だった。
少年は、仲間とともにAIを駆使し改革を進め、衰退しかけていた地方都市を、実験都市ウーアとして生まれ変わらせていく。
―感想―
主役の男女2人のお顔立ちが整っていて、大変美しい。
政治AIソロンは、「トリ(経済成長)」「ヘキサ(幸福・健康)」「ナノ(持続可能性)」の3つのAIで構成され、それぞれ独立した粒子コンピュータにより課題に対し、優先順位の異なる提案を行う。
物語は、AIによって選出された17歳の少年(総理くん)が、市議会解散、商店街再開発計画再検討、職員削減、地域の伝統行事復活を進める。
その一方で、かつて政治と金に巻き込まれた鷲田総理関係者の止まっていた時間が再び動き出す。
AIが、市議会に代わって市民からの意見を集約。
ってことで、市議会解散はわかるが、職員削減をまだ題材として取り上げるのかとげんなりした。
現実世界では、数年に及ぶコロナ禍の影響、ロシアのウクライナ侵攻と衝撃的なことが発生しているのに、、、。
本作に少し違う形でも落とし込めたら、もっと濃いドラマになったのにね。
さらに、「総理くん」が経験したヤングケアラーをさらっと流すなら、解散した市議会・削減した市職員の経費から捻出した予算の一部をヤングケアラー対策に充てるという「総理くん」青臭く、きれい事の物語も組み入れたらいいのになぁと思った。
もし、そういう物語が見れたなら、出演者(キャスト)より原作者・音楽4名!様のお名前が、エンドロール等最上部にあることにちょっとは納得できたのに。
3つのAIに割り当てられる三角形に配置した3つの塔、そこから発せられる光線。
高所から見下ろす港町の全景、アップの信号機、シャッター商店街、これに軍艦のカットがあれば「シン・ヱヴァンゲリヲン」?
UAは、某自動車メーカーが進めている街づくり?
各種デザインや音楽に力をいれている感じはわかるが、もう少し物語の内容を先達案件と違うようにひねってほしいなぁ。
ではでは。